公認会計士がおススメする経理実務で使える電卓アプリ

はじめに

私は公認会計士として東証一部上場企業等の会計監査業務に従事しています。

会計監査では企業が発表する決算の数値が正しいかどうかを検証するために、電卓を日常的に使用しています。

現代においては企業のシステムの発達、ペーパーレス化によりExcel等のスプレッドシートを用いて監査をすることが多いものの、依然として電卓を叩くことは往々にしてあります。

しかしながら、電卓を日常的に持ち歩くのは億劫で、できる限りカバンの中身は少なくしたいです。

とはいえ、スマホの電卓アプリを使うのも、画面が小さくてとても不便に感じていました。

 

一方、スマホの画面は日進月歩で大きくなっており、スマホによっては電卓アプリを違和感なく使用することができると思います。

私はHuawei(ファーウェイ)のP30 Proを機に、電卓を持ち歩く必要がなくなりました。

今回は、電卓アプリの中から経理実務に使えそうなアプリ12個を実際に使ってみて、本当に使えるアプリ3つを厳選したので紹介します。

 

経理実務で使えるスマホの電卓アプリ選定のポイント 

経理実務で使えるスマホの電卓アプリを選ぶにあたって重視すべきポイントは、以下の6点であると、私は考えています。

①キーの配置が使い慣れている電卓と似ている

②メモリー機能がある

③必要な桁数を入力できる

④ボタンが十分大きい

⑤ボタンを押したときのレスポンスが早い

⑥繰り返し計算ができる

利用満足度で選ばれてます。「ESET インターネットセキュリティ 5台」 公式サイト
利用満足度で選ばれてます。「ESET インターネットセキュリティ 5台」 公式サイト

キーの配置が使い慣れている電卓と似ている

いまから経理を勉強する人は別として、長年愛用する電卓というのがある場合には、そのキーの配置に慣れてしまっていますよね。

たとえば次の2つの電卓が実務に与える大きな影響として、演算ボタン「+」「-」「×」「÷」の配置が違うのと、ゼロボタン「0」「00」「.」の配置が違うことだと思います。

実務では基本的に利き手ではない手を使って、電卓を見ずに打ちますので、特に頻繁に使用する演算ボタンやゼロボタンの配置というのは非常に重要なわけです。

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モリー機能がある

 実務で欠かせないメモリー機能(M+とかMRとか)ですが、スマホの電卓アプリにはメモリー機能がついていないものも多いため、電卓アプリ選びには重要な要素になります。

個人的には、M+、M-、MR、MCがそれぞれ独立しているのが好みなので、MRとMCがMRCとして同じボタンになっている電卓アプリは敬遠します。

また、電卓アプリの中には過去の計算履歴が閲覧できる便利な機能を持つものもあります。

必要な桁数を入力できる

必要な桁数は人それぞれだと思いますが、たとえば日常的に兆円単位の計算をする場合には、表示可能な桁数を気にする必要があります。

ふつうの実務電卓でも兆円単位を表示できる電卓は限られており、多くは1,000億円単位までしか表示できないと思いますので、兆円以上の桁数を表示できる電卓アプリは重宝すると思います。

ボタンが十分大きい

ボタンの大きさは、電卓アプリ選びの最も重要なファクターの1つです。

通常、会計士は利き腕と反対の手を使用して、電卓を見ずにブラインドタッチをして計算をしていきます。

この場合、電卓のボタンが小さすぎると、意図したボタンを押すことができない可能性が高くなります。

電卓アプリの配置の特徴として、4列のケースと5列のケースがあります。

本物の実務電卓は5列が一般的のように思いますが、スマホのように幅が小さいと5列ではボタンが小さくなってしまいますので、4列のものを選ぶと良いと思います。

 

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4列の電卓アプリと5列の電卓アプリ

ボタンを押したときのレスポンスが早い

いまどきの電卓アプリは大体レスポンスが早いので、あまり気にならないとは思いますが、高速で打っているとたまに数値のインプットが追い付いて来ない時もあるため、一応重視すべきポイントの1つにしています。

繰り返し計算ができる

繰り返し計算の機能がある場合、たとえば「15」と入力して「+」を2回入力し、「30」と入力して「=」を押すと「45」と表示されますが、続けて「40」と入力して「=」を押すと 「55」と表示されます。

繰り返し計算は経理実務としては結構使う機能ですので、電卓アプリ選定のポイントになります。

経理実務で使える電卓アプリ3選

それでは、Google Playで「電卓」と検索して出てきた電卓アプリの中から、経理実務で使えそうなアプリ12個を実際に使ってみた結果、本当に使えるアプリ3つを紹介します。 

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↑がGoogle Playでぱっと見、経理実務で使えそうなアプリ12個。この中から3つを厳選。

めもりぃ電卓

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アプリの名前の割にはとても実務向きです。

ボタンが大きくて打ちやすいため、私は長年このアプリを使っていました。

桁が10兆単位まで入力できるので、ほとんど企業の経理に対応しています。

ただ繰返し機能はないのが残念です。

電卓-シンプルでスタイリッシュな消費税の計算など無料の計算機【電卓アプリ】

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桁が10兆単位まで入力できるので、ほとんど企業の経理に対応しています。

ボタンも大きくて打ちやすく、メモリー機能や繰返し機能もあって申し分ないです。

ただ、広告がうっとおしく、時折動画広告も流れるのが難点です。

有料版(360円)を購入すれば、広告なしでストレスフリーなので、経理実務で電卓アプリを使いたい方は360円払ってでもこれにすべきと思われます。

私自身、この記事を書くまでは「めもりい電卓」が最強と思っていましたが、いまはこの電卓アプリ有料版を使ってます。

ただ、無料版なら「めもりい電卓」とほぼ互角かと。

電卓 - 桁数の多いシンプル電卓

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桁数無限でどんな規模の企業にも対応しています。

ボタンの大きさも問題なく、メモリー機能もあります。

デメリットは繰り返し機能が付いていないということぐらいです。